『龍の庭〜双龍図』

第24回全国都市緑化ふなばしフェア 出展作品
(2007年10月2日〜11月4日)

施工部門金賞、(社)日本造園建設業協会会長賞
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この庭は、ちょっとだけ異なった周波数の世界を物理的次元に創りだした異次元空間です。

龍画は、動きを出す為に屏風スタイルとし、さらにその端末部を焼き、独特の雰囲気を持つ龍画に仕上げてあります。

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その龍の通り道として竹垣に開けた丸窓があります。

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作品の一部である建仁寺垣の丸窓から別世界が見えますが、実は龍の通り道としての丸窓です。
(調べてみると、丸窓は龍の通り道、という言い伝えも確かにありました。)

一匹の龍は天を舞う。すると山(岩組)から水(白砂)が流れ、その流れはやがて龍に姿を変える。
これが『龍の庭~双龍図』のストーリーです。

天空を舞う龍は、『龍の庭~登竜門伝説』で、滝を登り鯉から龍に姿を変えた龍です。

静の龍(白砂で表現した龍)が動の龍に変わる時、それはあなたが目を閉じて心の目で見た時です。

座禅石の中から聞こえる水の音によって、白砂の龍は静から動へ、一瞬のうちに変化します。その時、あなたは物理的次元も非物理的次元もすべてはあなたの中に存在する、ということに気がつくことでしょう。

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天を舞う龍、そして水の流れとなる龍(静から動へ)、意識の世界において、すべては同時に起こっています。

天を舞う龍が見ているのは、流れとなった龍(自分自身)、そして、この作品を見ているあなたです。

意識の世界では、すべてが同時に起こっており、すべてが一つである、ということを表現しています。

そして、天を舞う龍が見ているあなたも、龍の意識の一部分であり、あなたが見ている龍もあなたの意識の一部分でもあり、意識の世界において自他の区別がない、ということです。

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かけひから水鉢に一定のリズムで落ちる水、それは、まるで物理的次元において、時を刻むがごとく落ち、波紋を作る一滴一滴の水(時間)。

『龍の庭〜双龍図』を一幅の画として見ていただくことにより、この庭に与えた意味を感じ取っていただけるのではないかと思います。

出展期間中、庭のメンテナンスは、いつも夜に行っていましたが、日が落ちる直前と陽が落ちてから見る本作品の表情はまったく違っていました。

それは、まるで「魔界の庭」でした。
風が吹き、竹が揺れるときに聞こえる音は、まるで庭が呼吸をしているかのようでした。

それと、陽が落ちてからライトを当てると、流れを表現した白砂の表情も一瞬のうちに変化し、昼間とは違った表情を見せていたのも印象的でした。

残念なのは、来場者の皆さんはこの『龍の庭』のもう一つの顔である「魔界の庭」を知らない、ということです。

いずれ、どこかで「魔界の庭」をご覧いただけることもあるかもしれません。
その時は、魂を抜き取られないように気をつけてください。

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