『龍の庭〜登龍門伝説』
浜名湖花博屋内出展作品(国際花の交流館)
(2004.7.3〜7.11)
浜松市長賞、優秀賞、金賞
「龍門」は中国・黄河上流の急流にあり、そこに集まる多くの鯉のうち、この龍門を登ることができたものは龍になるという伝説があります。
この庭は、登龍門伝説が元になっています。
多くの鯉はこの龍門を目指して泳ぎはじめます。
しかし、旅の途中で命を落とす鯉、あきらめてしまう鯉など、まるで人間界のようです。
その中を一匹の鯉が自分の能力を信じ、黄河の急流にある登龍門を目指します。
大海を泳ぎ、やっとの思いで龍門たどり着きます。
・・・・・
滝を登る直前の緊張感・・・、力尽きてしまえば、激流に飲み込まれ、命を落としてしまいます。
覚悟を決めたその瞬間・・・
滝を登り始めた瞬間・・・
滝を登りきり、龍になった瞬間・・・
そのすべてを見ている観音菩薩・・・
意識の世界では、過去、現在、未来というものは、同時に起こっている。そして、すべては今というこの瞬間にある、ということを表現しています。
この庭には、このような意味をあたえていますが、この庭に見るあなたは自由に意味を与えてくださってもかまいません。
あなたが与える意味によって、あなたが受け取るものも違ってくるはずです。
あなたが鯉に意識をフォーカスすることによって、その瞬間、意識の世界であなたは鯉になり、この龍門を登り切り、龍となって、天空を舞うことでしょう。
建仁寺垣の丸い開口部から観世音菩薩が見えます。この開口部から見える別世界を表現しています。